ウイスキー文化研究所が主催する”ウイスキーコニサー資格認定試験”や”ウイスキー検定”
バーでウイスキーを飲んだりされている方なら、聞いた事があるのではないでしょうか?
バーテンダーは元より、酒類メーカーに勤める方、ウイスキー通の方幅広い方々が受験されています。
このカテゴリー欄では、どういった問題が出るのか?
特に、今回は製造の問題の中でも製麦・糖化について見ていきます!
製造の問題は苦戦する
一番難しいのが、製造の問題です。
これは、高校の化学レベルのものが出題されます。
高校で化学をみっちりやった方なら、何ら容易いかも知れませんが、そうでなければ、かなり苦戦します。早めに手をつけた方がいいでしょう。
大麦と二条種の区別に関する問題
大麦はその形状から二条種と六条種に区別される。
両者の特徴や用途、違いについて答えよ
解答
二条種 | 六条種 | |
粒の大きさ | ◎ | - |
用途 | ビールやウイスキーなど | 穀物原料主体のアメリカンウイスキーや グレーンウイスキーの製造、麦飯、押麦、麦茶など |
デンプン | ◎ | ー |
タンパク質 | ー | ◎ |
アルコール収集率 | ◎ | ー |
・二条種は粒が大きくデンプン比率が六条種より高い
・一方で六条種の方がタンパク質比率は高い
・また、アルコール収集率が高いため二条種はビールやウイスキーなどの酒造用に使われる
・六条種は糖化酵素が強いため、グレーンウイスキーの製造や麦茶などに使われる
フロアモルティングに関する問題
伝統的なフロアモルティングでは、コンクリートの床に広げた麦粒を4〜6時間ごとにひっくり返す必要がある。その理由とは?(呼吸熱・空気・根)この語句を使うこと
解答
定期的に空気を送り込むことで大麦に酸素を供給し、発芽による呼吸熱を覚ます。また、根が絡みあう事を防ぎ、均一的な発芽を促す事が出来る。
デンプン分解酵素に関する問題
デンプンの分解酵素の総称である(A)はデンプンの糖結合を切断し、酵母がアルコールに発酵できる大きさにする働きがある。この(A)はその切断場所から二個に大別される。
(B)はデンプンのα-1,4結合を(C)単位で切り離し、もう一つの(D)はα-1,4結合をランダムに切断できる。
ただし、これらの(A)ではアミロペクチンに存在するデンプンのα-1,6結合を分解出来かねるのでこれは非発酵性糖類として残り、発酵後期において(E)の栄養源として使われる。
A〜Eの語句を埋めよ。
解答
・デンプンの分解酵素⇨(A)アミラーゼ
・(B)マルトース 単位で切断⇨(C)βアミラーゼ
・ランダムに切断⇨(D)αアミラーゼ
・分解しきれなくて残ったもの:非発酵性糖類として残り発酵後期において乳酸菌の栄養源になる
(C6H10O5)+H20→C6H12O6
デンプン+水→グルコース 加水分解
モルトウイスキーの糖化に関する問題
スコッチで通常用いられる一つの糖化槽で処置する方法を何というか
解答
インフュージョン
グリーンモルトの特徴に関する問題
大麦の発芽には水と酵素と適度な温度が必要である。発芽を促すことにより、大麦粒中に酵素が生成、活性化する。この状態をグリーンモルト という。
この時点では、(A)の分解はわずかであるのに対し、(B)の分解により得られる(C)はその半分以上が生成されている。
A〜Cを埋めよ
解答
Aデンプン
Bタンパク質
Cアミノ酸
グリーンモルトとは、麦粒中の酵素が活性化した状態を言う。
麦粒のもみがパカッと割れて、湯を加えると簡単に分解されるような、軟らかな状態になるのが好ましい。
ちなみに、芽は成長しているが、大麦の殻皮の中にあって目に触れることはない。
この時点では、デンプン分解酵素は生成されるが、分解されるデンプン量はわずかで、ほとんどは糖化槽での仕込みの過程で分解される。
一方で、タンパク質の分解は大幅に進行し、粒中の窒素成分の約4割が可溶化し、麦汁中でできるアミノ酸の3分の2がこの段階で生成される。
アルコール収集率に関する問題
大麦品種の優劣を判断する指標の一つとして、アルコール収量がある。
これは麦芽1tから得られるアルコールを(A)%アルコールに換算した量をℓで表す。
現在スコッチのモルトウイスキーではその値は400〜420(B)/t麦芽となっている。
解答
A 100
B LPA
LPAとはリッター・ピュア・アルコールの略。
麦芽1tを100%アルコールに換算した場合の収穫量を表している。
まとめ
いかがでしたか?製造の問題は、問題数とにかく解き理解する事です。
もっと詳しく勉強されたい方は、下記のテキストを参考にしてみて下さい!
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